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3Dプリンターで出力されたイケてる車10選

気軽に販売店に入り、コンピューター上で車をデザインし、でかいプリンターでその場で3Dの部品を印刷する。夢のようで、こんな情景はまだ数年先の事でしょう。

だが、実際に3Dでプリントされた車というのは現実になっています(一般にはまだ市販されていないが、技術的には可能となっている)。以下10選を紹介します。

 

1.Blade

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ブレイドはまさに美の体現といえます。このリストの最初に載せたのは、ブレイドが初めて3Dプリンティングで再現されたスーパーカーだということもあるし、プリンター会社の「広告モデル」だということもあります。

Divergent3D社は車両製造の再現に多角的なアプローチを取っている。3Dプリティングで造られた部品をカーボン・ファイバー(炭素繊維)でつなぎ、通常の生産と遜色のないような車体を生み出す。部品の組み立てにも、ものの数分しか掛からないようです。

 

同社の目標は、3Dプリントした車を実際の車より90%近くまで軽くすることです。「車の非物質化」と呼ばれる過程です。このような組み立て式車両を小さな町工場で生産する、という考えは恐ろしいもの。

唯一の不安材料としては、同社のような小さな会社のキャパで、巨大自動車メーカーに立ち向かえるのか、ということでしょう。

 

プリンター会社: Divergent3D

3Dプリンティング技術: SLM(Selective Laser Melting、溶融積層方式)

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 25% (結合系の部品)

現状態: 機能面のコンセプト

 

2.Shelby Cobra 56

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この3Dプリンティングのシェルビー・コブラは、デトロイトの国際自動車ショーでオバマ大統領も見学したものです。米国エネルギー省の製造デモ機関による、特別な作品です。

シンシナチ社製のBAAM(後述)というプリンターで製造されました。このプリンターは、巨大、強靭かつ軽量の部品を作り出し、追加加工を必要としません。デスクトップ式の3Dプリンターの約500倍から1000倍のスピードで仕事をこなします。

 

この3Dプリンティングの車両は、「はめ込むと動く」部品・技術で実装されています。エンジン、バッテリー、燃料電池技術、ハイブリット式のデザイン、その他様々な電力工学、ワイヤレス・充電システム等であり、研究者がラボでお手軽に未来の車の研究が出来るよう造られたものです。

 

プリンター会社(機関): Oak Ridge National Laboratories (ORNL、オーク・リッジ国立研究所)

3Dプリンティング技術: BAAM: Big Area Additive Manufacturing、熱溶融積層方式)

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 75%

現状態: 機能面のコンセプト

 

3.Light Cocoon

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ドイツのデザイン・スタジオEDAGは、3Dプリンティングと創造的デザインに四つで取り組んでいます。ジュネーブの自動車ショーでデビューした「EDAGライト・コクーン」は、単にコンパクト且つダイナミックなスポーツカーのケーススタディにとどまらず、未来の超軽量車生産を先駆ける、空前のプロトタイプであると言えます。

 

生体的に最適化された完全な車両構造をしており、全天候型の車体外皮を併せ持ち、軽量車生産と車体美に新たな次元を開いたと言えます。

光で照らすと、スケルトン状の有機的な姿を見せ、軽量というだけでなく、美も兼ね備えた一品です。

 

プリンター会社: EDAG

3Dプリンティング技術: SLM

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 60%

現状態: 物理面のコンセプト

 

4.Lotus 340r

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実は3Dプリンティングは自動車産業で既にかなり広範に用いられています。CIDEASはこの分野でエキスパートであり、ロータス340Rについては41個もの3Dプリンティングの部品を組み込んでいます。

希少品種の車に対し、カスタム・デザインで古い形の部品のデザインが出来ることを証明しています。言い方を変えると、3Dプリンティングで少量生産の車の部品に対するスペアを造り出す技術を有するということです。特に2002年以前には3Dプリンティングのソフトを使ってデザインされる車はほとんど無かったのですが。

 

ロータスは3つの異なる3Dプリンティングのプロセスを経て造られました。各部品は明るい色でまぶされ、CIDEAS独特の仕上げを施し、その他3Dプリンティングの主要技術が織り込まれています。結果、このロータス340Rはこれまでで一番出来のいい乗用車に数えられているようです。

 

プリンター会社: CIDEAS

3Dプリンティング技術: SLS(Selective Laser Sintering、レーザー焼結方式)、SLA(Stereolithography、光造形方式)、FDM(Fused Deposition Modeling、熱溶解方式)

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 60%

現状態: 機能面のコンセプト

 

 

5.GENESIS

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なんと奇妙な形をした3Dプリンティング車でしょう。EDAGの生体的、生殖的デザインの車両構造は2014年に「ジェネシス」というコンセプトのもと始まりました。

生殖的、というのはどんどん新しい生産ステップが生まれてゆくことを指すのでしょう。従来の生産方式や構造デザインを革新、拡張してゆくのです。最近の技術革新の賜物であり、非常に複雑かつ効率的な構造を実現するプロセスであると言えます。

 

EDAGのジェネシスは、ある種「亀」の生体パターンを模写しており、甲羅のような車体が防御、あるいはクッションの機能を持っています。動物的な骨格ともいえる。

甲羅はサンドイッチのような構造をしており、骨組みが繊細に折り重なり、強靭さと安定性を誇るものです。甲羅、あるいはスケルトンというのは多分に比喩的な言い方で、本当に筋肉を加える骨を再現しているわけではありませんが、何にせよドライバーを守る構造です。

 

EDAGは、伝統的なデザイン、それに付きまとう生産上のルールはもはや邪魔であると言い張っています。自然の中で長年生き抜いてきた動物の骨格が、この一連の製造過程に真に適用できると言うのです。過去には考えられなかったこと。このコンセプトは自動車の3Dプリンティング、あるいは3Dプリンティング全般に対し大きな影響を与えるだろう。なおコンセプト段階にとどまってはいますが。

 

プリンター会社: EDAG

3Dプリンティング技術: SLS

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 100%

現状態: 物理面のコンセプト

 

6.LM3D

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Local Motors社が2014年にストラーティをほとんど3Dプリンティングだけで造り出した際、紙面を賑わせたものです。多くの人が、メディアのでっち上げだと思っていました。Local Motors社は一年後さらに、LM3Dをリリース。初めて商業化され、実際に運転出来る3Dプリンティング車です。

 

だが、なお3Dプリンティングによる車を買うのは、開発に協力したいという試乗ドライバーのみです。お値段は約35,000ドル、LM3Dの約75パーセントがプリントされています。

 

LMの目標は、従来式の方法で造られているパーツを出来る限り3Dプリンティングにまとめ上げることで、最終的には90%ほどを3Dプリンティングにしたいと考えています。

胴体部分は既にほとんど3Dプリンティングで造られてます。同総合デザイン会社は、新しい材料やブレンドの仕方を3Dプリンティングで常に実験しています。現在主流なのは、ABSプラスチック(acrylonitrile butadiene styrene、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)80%と炭素繊維20%のブレンドです。

 

ベンチャー投資家には、LM3Dにクラウド・ファンディングを通じ2016年の第二四半期には投資の機会が与えられます。2016年後半には市販も予定しているということです。

同社のエンジニア、デザイナーは寝る暇もなく3Dプリンティングによる車の開発を続けており、2017年までにはFMVSS(Federal Motor-Vehicle Safety Standard、米国連邦自動車安全基準)を満たす車を造り出そうとしています。

 

プリンター会社: Local Motors

3Dプリンティング技術: BAAM

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 75%

現状態: 多機能コンセプト(物理面の試験含む)

 

7.Soulmate

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2016年のジュネーブの自動車ショーで、EDAGはまた別の3Dプリンティングによる驚くべき車両を発表しました。現在のところ最もかっこいいものでしょう。EDAGの開発の専門家とボッシュ社のエンジニアとの協働により実現したものです。

 

この車の内装は、近未来に出現するであろう様々な車に用いられる、色々な工夫を搭載しており、またドライバーと車の一体感がいかに進化するかという点でも気を使っています。また同車は、3Dプリンティングで実現出来る軽量性もライト・コクーンの後継機として重視しているようです。

 

プリンター会社: EDAG

3Dプリンティング技術: SLM、SLS

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 50%

現状態: 物理面のコンセプト

 

8.Strati

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ストラーティは、Local Motors社により、自動車生産の根本的問題に対応するために創られました。すなわち、デザインを創る際にいかに初期投資を抑えるか、部品をいかに減らすか、デザイン更新の際にいかに再投資を減らすか、等の問題です。

ストラーティは、Local Motors主催によるデザイン・コンテストで受賞した作品(イタリアのデザイナー、Michele Anoèn作)。これはさらに、2014年にシカゴで催された、ゼロから5日以内に3Dプリンティングで車を造り上げるIMSTショー(International Manufacturing Technology Show、世界工作機械展)でも取り上げられました。

 

ストラ―ティーはシンシナチ社とオーク・リッジ国立研究所のBAAM 3Dプリンティング技術とのコラボで造られた電動の3Dプリンティング車です。まだ完全に3Dプリンティングではないが(タイヤ、バッテリーやその他の電気系統がまだ3Dプリンティングではない)、自動車および3Dプリンティング産業の嚆矢と言えるのは確かでしょう。

 

プリンター会社: Local Motors

3Dプリンティング技術: BAAM

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 85%

現状態: 機能面のコンセプト

 

9.Street Scooter C-16

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ややストラーティの後塵を拝む感もあるが、ストリートスクーターC-16(短距離向け)は間違いなく3Dプリント率の最も高い四輪乗用車の一つであると言えます。アーヘン工科大学の、電気自動車部品生産研究チームにより製造されたStratasys(米国ミネソタの3Dプリンティング専業メーカー)による、Object1000と称する製造過程を用いました(色々な物質を投入する)。

 

同社のプラスチック製の外皮に対し3Dプリンティングが用いられている。巨大な前面と後面のパネル、ドア、バンパー、サイドのスカート状の部分(泥よけ)、車輪の輪郭、ランプのマスク、また内装の一部(小物入れやその他の部品等)です。Stratasysの強靭なABSを材料としており、チームによる強いストレス・テストにも耐え、従来車両と遜色ない結果を叩きだしました。

 

同車は約450キログラム(1000パウンド)ほどである(バッテリー除く)。最低100キロメートル(80マイル)の走行距離を誇り、最高速は時速100キロ(60マイル)である。理想的な市民的乗用車と言えます。

 

プリンター会社: Aachen University(アーヘン工科大学)

3Dプリンティング技術: Polyjet(インクジェット方式)

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 75%

現状態: 機能面のコンセプト

 

10.UrbeeManufacturer

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アービーは世界で最初の3Dプリンティング車のタイトルにふさわしいと言えます。当初はKOR Ecologicの熟練工の小さなチームによる小さなプロジェクトとして始まりました。チームの目標は、本当に環境に優しいサステナブルな車を創り出すことでした。ニューヨークからサンフランシスコまで、人間二人と犬を載せて旅をし、燃料効率で世界記録を樹立しました。

 

アービーを造るには3Dプリンティングが最も適した手段だと判断したStratasysが名乗りを上げ、プロジェクトを開始し、3Dプリンティングで造られた最初の車体となりました。且つ、最も環境に優しい実用的な車という特徴も保持しています。現在プロジェクトはやや下火になっているが、KOR Ecologicはなおアービー2に取りかかっており、3Dプリンティングで内装も実現しようとしています。

 

プリンター会社: KOR Ecologic

3Dプリンティング技術: Polyjet

3Dプリンティングによる部品の推定割合: 80%

現状態: 機能面のコンセプト

 

参考:All3DP

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