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安心して3Dプリンタを使うために!知っておくべき法律問題

 1.拳銃の製造

 

大学教員が3Dプリンタで拳銃を成形し、銃刀法違反で逮捕されるという事件もありました。この拳銃には殺傷能力が認められたため、銃刀法違反が適用される結果となりました。

この事件は、3Dプリンタで作られたため大きな話題になりましたが、そもそも日本では銃の不法所持は認められていません。殺傷能力を持つ改造モデルガンでも似ている話でもあります。

本来、猟銃や競技用の銃の購入時には、日付や購入者などを登録し、厳重な審査を受ける必要があります。それによって、いつ・だれが・何のために、購入したかを管理することができます。

しかし、3Dプリンタの場合、そのような規制はなく、また、規制することも難しいのが実情だと思われます。

ただし、拳銃の製造は3Dプリンタだけでできるものではなく、さまざまな工作機械を用いて精緻に作り上げる必要があります。特に弾薬は、3Dプリンタで製造することはできません。

これからどのように規制されていくかはわかりませんが、3Dプリンティング技術の発展を妨げないよう願うばかりですね。

 

2.ブランド品のコピー氾濫の可能性

 

アメリカの調査会社の調査によると、3Dプリンタによって作られたブランド品の模倣が「知的財産」の侵害予測額が2018年までに全世界で、なんと年間1000億ドル(10兆円)に上るとされています。ただし、ややこしい話ではありますが、ここでいう「知的財産」が、「著作権」、「商標権」、「意匠権」など、いずれを言うのかは不明です。それぞれ法律上の扱いは異なるため、注意が必要です。

ブランド品を保護する権利として代表的なのは「商標権」ですが、特に3Dプリンタに関して言えば、「立体商標」があります。身近な例でいえば、マクドナルド(R)のドナルドや、ケンタッキーフライドチキン(R)のカーネルサンダース、不二家のペコちゃん人形、ヤクルトの容器、コカコーラの瓶などが、立体商標として登録されています。

日本では、立体商標の侵害(不正利用)で多額の賠償が認められた事例はありません。日本の法律では「部品の成形」と「製品の製造」を明確に区別します。たとえば、ブランドのバッグ全体を3Dプリンタで出力しても、バッグとして機能しないものであれば、デコレーションとして店頭に配置したとしても、権利者の許諾が必要な「商標的使用」にあたらない場合も多いです。

「意匠権」についても同様のことが言えます。意匠に係る物品として機能しなければ、意匠権の侵害には問われません。たとえば、容器などの「形」さえあれば機能するものであれば、意匠権が適用されます。しかし、「商標権」と同様にバッグなど形だけでは機能しないものについては、意匠権侵害に当たらないと考えられます。

3Dプリンタで成形されたブランド品などは、著作権法か不正競争防止法を適用する以外では、侵害品として差し止めることは困難だと考えたほうがよさそうです。

 

 3.わいせつ物の成形

 

女性器の成形物を出力可能な3Dデータを頒布したということで、女性漫画家がわいせつ電磁的記録頒布容疑で逮捕される事件がありました。まだ刑事判断が出ていないので、なんとも言えないところもあります。

ただ、リアルなキャプチャリング技術を利用したリアルな造形が問題になったことは、立体著作物の模倣について、今後多く問題になると思われます。

 

 

参考:

平成26年度著作権委員会第4部会 特集1

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